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揮発性有機化合物(VOC)対策について

 1.VOC対策不法投棄発覚時の状況

 桑名市五反田事案については、有害物質を含有した産業廃棄物から溶出したVOC等により汚染された地下水が不法投棄地から拡散し、近傍の河川に流入するなど、周辺地域に生活環境保全上の支障を生じるおそれがあったため、平成13年度より行政代執行による環境修復を実施しています。

 なお、事業の実施にあたっては、当初は産業廃棄物適正処理推進特別対策事業による支援を受けて実施し、平成17年度から平成19年度までは、産廃特措法に基づく特定支障除去等事業として支援を受けました。

特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法第4条の規定に基づく実施計画

実施計画書(平成17年3月31日環境大臣同意)   

別添資料 別添資料2 別添資料3 別添資料4 別添資料5−1 

別添資料5−2 別添5−3 別添資料6 別添資料7 別添資料8

別添資料9 別添資料10 別添資料11 別添資料12

生活環境保全上達成すべき目標 

達成すべき目標

 生活環境保全上の支障のおそれを除去し、住民の安全・安心を確保

すること

目標達成のために講じる措置

・ 不法投棄地からの汚染拡散を防止すること

・ 不法投棄地内の地下水汚染の浄化(管理型処分場レベル)を図る

   こと

・  汚染が拡散している隣接地の地下水汚染の浄化(環境基準レベル)

   を図ること

 

(1) 環境修復対策工

 @    平成13年度汚染拡散防止対策工事

 ソイルセメント地中連続壁(幅広薄鋼矢板併用)により、不法投棄地を囲い込むとともに、不法投棄地上部に雨水浸透防止用アスファルトキャッピングを施工しました。

 

地中連続遮水壁設置工事の様子

A    平成14年度遮水壁内汚染浄化対策工事

 遮水壁内に揚水井、注水枡、揚水ポンプ、流入・送水管等を設置し、遮水壁外に揚水した地下水を浄化するための水処理施設(処理能力60m3/day)を設置しました。

水処理施設の写真

 

 揚水循環浄化概念図

B 平成17年度浄化促進対策工事等

 平成15年度からの揚水循環処理により遮水壁内の総VOC濃度当量は、約1/4にまで低下したが、遮水壁内の地下水浄化が一様に進んでいなかったことから、汚染地下水の残留が認められた4箇所に揚水井を設置し、浄化促進を図りました。

 また、遮水壁外の環境基準を超過している観測井からも揚水浄化を実施しました。

遮水壁内総VOC濃度当量の推移(H15.3からH17.2)

C 平成19年度追加対策工事

 平成17年度に実施した浄化促進対策工事により、地下水の汚染濃度はさらに低下したが、平成18年度末時点において、そのまま揚水循環処理を継続しても平成19年度末に遮水壁内の汚染レベルを管理型処分場レベルとする目標の達成が困難と見込まれました。そのため、透水性が低く浄化が遅れている箇所に大口径(直径4m)の揚水井を3箇所設置し、浄化促進を図りました。

 その結果、平成19年度末には、遮水壁内の汚染レベルは管理型処分場レベルに遮水壁外は環境基準レベルになり、目標を達成しました。

  遮水壁内総VOC濃度当量の推移(H19.2〜H20.3)

D 平成21年度追加対策工事

 平成20年度に地下水の揚水を停止したところ、ベンゼン、トルエン、キシレンについて、廃棄物層からの再溶出と考えられる地下水汚染が認められたことから、再溶出箇所に大口径井戸(直径7.5m)を設置し、汚染が残留する廃棄物を掘削除去しました。

 その結果、トルエン濃度の低下は僅かであったものの、ベンゼン、キシレン濃度は大幅に低下し、より安全が確保される状態となりました。

ベンゼン濃度当量の推移(H20.3からH21.2)

遮水壁内のベンゼン等加重平均濃度  (単位:mg/l) 

項目

大口径井戸

設置前(H21.2.5)

大口径井戸

設置後(H22.6.10)

低減率

ベンゼン

0.38

0.08

△79%

トルエン

1.4

1.3

△7.1%

キシレン

2.6

0.63

△76%