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いろいろ環境

この人にインタビュー

川口 祐二 さん

エッセイスト

Q.みえこ
今日は、南勢町にお住まいのエッセイスト、川口祐二さんを訪ねます。
インタビューの前に川口さんのプロフィールを紹介するね。
川口さんは、70年代はじめにいち早く漁村から合成洗剤をなくすことを提唱され実践運動を展開した人です。88年11月、岩波新書別冊「私の昭和史」に採られた「渚の五十五年」が反響を呼びました。日本の漁村を歩き、特に女性の暮らしを記録する仕事を続けると同時に沿岸漁業の環境問題を中心にエッセイを執筆してこられ、「海辺の歳時記」など17冊が発刊されています。NHK農林水産通信員、海の博物館(鳥羽市)評議員でもあり、2001年には、十数年にわたる聞き書きによって第10回田尻賞を受賞されています。 岩波新書別冊「私の昭和史」
Q.みえこ
まず最初に、川口さんが合成洗剤の問題に取り組まれたきかっけを聞かせてください。
川口 祐二 さんの写真
A.川口さん
私は、57歳まで南勢町の職員をしていました。1970年代に水産係に配属になり、そこで赤潮の問題に直面しました。なぜ赤潮が起こるんだろうかと考えるなかで、赤潮の発生の原因のひとつとなる合成洗剤に着目しました。当時の合成洗剤はリンが多く含まれていて、これの使用を止めることが赤潮の発生抑制につながると考えたわけです。その後は、他の部署に転属になっても持ち場持ち場で環境問題を考えました。
Q.みえこ
具体的にどのような活動をなさったんですか。
A.川口さん
合成洗剤の問題点を指摘した16ミリフィルムを購入して、夜に町内の各集落をまわりました。女性を中心にその環境影響を説明し、合成洗剤をなくすように提唱しました。1970年代にこういった取組はまだめずらしく、先駆的だったと思います。県漁連からフィルムを貸して欲しいとの申し出があったのを覚えています。
また、合成洗剤だけでなくリサイクルの立場から廃油石鹸づくりにも取り組みました。
Q.みえこ
全国の漁村の様子を描く執筆活動をなさっていますが、どういうきっかけではじめられたんですか。
A.川口さん
役場在職中から執筆活動をはじめていたんですが、ちょうど役場を退職する頃の昭和63年に岩波新書「私の昭和史」の中に、私が応募した「渚の五十五年」が採用され、反響を呼びましてね、そのことに自信を得て本格的に執筆活動をするようになったんですよ。全国の漁村を廻って、女性を中心にその暮らしぶりを書いています。これまでに3年に2冊程度のペースで本を出していて最新刊は「苦あり楽あり海辺の暮らし」という本です。資源枯渇などに直面しながらも元気に生きる海辺の人々の姿を描いたもので、今年の環境月間に合わせて、続編「渚ばんざい−漁村に暮らして」を出す予定です。
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Q.みえこ
全国の漁村を廻られて、そこに暮らす人々の環境への関心はどんな様子ですか。
書籍
A.川口さん
実は、あまり環境のことを深く考えていないことが多いです。取材していると、海の環境が悪くなったという話をよく聞くんですが、だからどうしていこうという認識が薄い気がします。環境は、まずそこに住んでいる人が守るという姿勢が重要です。森林を大事にすることによって川が良くなり海が守られます。子どもの頃から渚や里山を大切にすることを教えなければいけません。北海道のある漁村のように50年間松を植えつづけて漁場を回復した例もあります。漁業の後継者不足が問題になっていますが、小さな漁村でも若者がいるところがあるのは、環境に配慮し、海をしっかり守って漁場が安定しているからなんですよ。
Q.みえこ
これからのご活動は?
A.川口さん
今は、講演活動を中心に語りべとして活動していて、講演会では、常に自然環境の大切さを説いています。
また、総合学習の時間を利用して子供たちに環境を学ばせる場を提供しています。全国の漁村の様子を聞き書きする活動と共に、これからもこのような活動を続けていきたいと考えています。
みえこ
川口さん、今日は、お忙しいところありがとうございました。
新しく出る本、楽しみにしています。