第3回:環境フロンティア部門独創的環境プロジェクト賞
株式会社モリタ上野工場
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株式会社モリタ 上野工場 |
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受賞者メッセージ
弊社は、「人と地球のいのちを守る」というスローガンのもと、生命・財産を守るというテーマに加え、緑豊かな自然環境を生活汚染から守るという21世紀へ向けての最大のテーマにも挑戦しております。
消火器は、火災から「生命と財産」を守る商品ですが、有効年限後に産業廃棄物処分をすることなく、リサイクル肥料(農林水産省認可)として生まれ変わることで、産業廃棄物量の削減はもとより、植物の栄養源となり、またそれは、化学肥料削減にも繋がりますので、「地球のいのちを守る」に貢献出来ると期待しております。
このたび、第3回日本環境経営大賞の「独創的環境プロジェクト賞」をいただき、大変光栄に思います。この受賞を励みに、今後も弊社企業理念である、「心を込めたモノづくりと、絶えざる技術革新によって安全で住みよい豊かな社会に貢献し、真摯な企業活動を通じて社会との調和を図ります」に全力で取組む所存です。
受賞理由
株式会社モリタ上野工場
(廃棄粉末消火薬剤の肥料リサイクルとその応用:三重県)
消火器の消火薬剤が窒素とリンを主成分とする特性に着目し、肥料としてのリサイクル技術を帯広畜産大学、北海道立工業試験場と共同で開発し、「モリタ1 号」として商品化した。このことにより、産業廃棄物として処理されていた年間1万tの廃棄消火薬剤を肥料原料として、リサイクルを行っている。産業廃棄物を削減できるだけでなく、工業生産できないリンを再利用することが可能となった。地域内廃棄物循環システムの確立にも取り組んでいる。
環境経営の取り組み
日本国内で、年間約320万本の消火器が不用になるといわれています。消火器重量の約6割を消火薬剤が占めており、消火器1本平均を約5kgとすると、年間約1万トンの消火薬剤が不用になり、これらはつい数年前まで産業廃棄物として処分されていました。

しかし、粉末ABC消火薬剤には、肥料成分として有効なリンと窒素が多く含まれています。特に、リンはその原料をすべて輸入に頼っている貴重な資源の一つですので、何とか廃棄されてしまう消火薬剤を肥料として再び利用できないかと、株式会社モリタでは2000年より帯広畜産大学、北海道立工業試験場と共同研究を開始しました。
消火薬剤の「毒性を持たない」「窒素、リンを含んでいる」という点は肥料と共通なのですが、消火薬剤には性能上、
- 180μm以下の微粉性のため、土壌にまくと飛散しやすい
- 防湿性のため水に溶け難い
という肥料原料として利用し難い点がありました。

そのため、実用化には数年の歳月がかかりましたが、「すりこぎ」の要領で疎水面を削り、可溶化する技術を確立したことで、この問題を克服するに至りました。そして、2002年10月に消火薬剤を原料とする国内初の肥料「モリタ1号」として農林水産省より認可をいただき、現在「モリタ1号」は、肥料原料として各地の肥料会社に出荷されています。
また、弊社のさらなる取組として、問題視されているし尿、糞尿といった他の廃棄物と組合わせての有効利用の研究にも取組んでいます。し尿、糞尿には肥料成分の窒素、カリウムは含まれているのですが、リンはほとんど含まれていないため、「モリタ1号」で不足分のリンを補うというものです。
帯広畜産大学とは、家畜糞尿リサイクルに取組んでおります。日本国内で年間9000万トンにものぼる家畜糞尿処理は、畜産業界にとって重要な課題となっています。そこで、この研究では家畜の糞尿をメタン発酵させて発電に利用した後、発酵後の糞尿を液肥として畑に還元する際に肥効調整に「モリタ1号」を利用するという取組みを行っています。

福岡県椎田町、長崎大学、佐賀大学とは「消火器肥料リサイクル共同研究会」を発足させ、研究を進めています。特に循環型農業を積極的に実践する福岡県椎田町とは、「モリタ1号」を人の排泄物を発酵させた液肥に加えることで肥料全体としてのバランスを改善。この改良型の液肥を使って、レタス、高菜、稲を栽培、その効果と安全性を実証しています。
「廃消火器と屎尿の組合せによる液肥利用と廃消火器回収システムの構築」
イメージ図

消火器を製造販売するメーカーとして、不用になった消火器が有効な資源として利用できることが明らかな今、さらに効率的に消火器が回収できるような仕組みをつくり、回収率を少しでも向上させることを目指しています。皆様のご理解とご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。
