第3回:環境フロンティア部門独創的環境プロジェクト賞

帝人ファイバー株式会社

野口 泰稔 様

事業所名 帝人ファイバー株式会社
代表者名 野口 泰稔
事業内容 ポリエステル原料及び製品の製造、販売
事業所
所在地
〒541-8587 大阪市中央区南本町1-6-7
連絡先
TEL
TEL:原料重合営業グループ 03-3506-4599
設立年 平成14年(2002年)
従業員数 932名(2004年3月現在)
資本金 120億円
ホームページ http://www.teijinfiber.com/
top/top.html
E-mail repet@teijin.co.jp

受賞者メッセージ

帝人グループは、地球環境との共生を実現するため、1992年にグループ全体をする「地球環境憲章」を制定して、環境・安全活動に取り組んでおり、過去培ってきた技術を総合化し、更に新たな技術開発により、省エネルギー、省資源、温暖化対策等を考えた環境に配慮した素材製品の開発を進め、併せて持続的発展が可能な循環型社会構築を目的として国が定めた「循環型社会形成推進基本法」に呼て参りました。
 この持続的発展可能な循環型社会構築を目的として取組の中で、ポリエステル以外のポリマー成分、添加物及び加工剤を含むほとんど全ての使用済みポリエステル製品から石油より製造したものと同等以上のポリエステル原料である高純度テレフタル酸ジメチル(以下、DMT)を回収する「新原料リサイクル技術」が生まれました。一方、従来のマテリアルリサイクルはカスケード的リサイクルで価値が低く、リサイクル商品展開に限界がありました。その点、当社の「新原料リサイクル技術」は原料であるDMTにまで戻すことにより、どのような用途にも制限なく使用することが可能です。この技術を活用して、使用済みPETボトルを再びPETボトル用樹脂として再生する「ボトルtoボトル」、使用済みポリエステル繊維製品を再びポリエステル繊維として再生する「繊維to繊維」リサイクル事業を行い、完全循環型リ全に貢献していきたいと考えております。

受賞理由

帝人ファイバー株式会社
    (使用済みポリエステル製品の新原料リサイクル:東京都)

石油から製造したものと同等の高純度ポリエステル原料(DMT)を、使用済みポリエステル製品から回収する技術「新原料リサイクル技術」を世界で初めて開発。石油からDMTを生産するのに対し、消費エネルギーを84%削減、CO2排出量を77%削減が可能となる。
 この技術を活用して、使用済みPETボトルを再びPETボトル用樹脂として再生する「ボトルtoボトル」、使用済みポリエステル繊維製品を再びポリエステル繊維として再生する「繊維to繊維」リサイクル事業を展開している。ポリエステル繊維については、賛同する関係企業をメンバーとして独自の回収システムを構築し、商品の開発、商品化およびその回収・再利用までを共同で進めている。

環境経営の取り組み

取組み内容

当社は、持続的発展可能な循環型社会構築に向けた取組みとして、省エネルギー、省資源、温暖化対策等を考えた環境循環型素材製品の開発を進めています。そのような取組みの中で生まれた「新原料リサイクル技術」は、使用済みポリエステル製品から石油より製造したものと同等以上のポリエステル原料である高純度テレフタル酸ジメチル(以下、DMT)を回収する世界で初めての技術です。
 この技術の特徴の一つは、ポリエステル以外のポリマー成分、添加物及び加工剤を含むほとんど全てのポリエステル製品より高純度DMT(純度99.99%以上)を回収できることです。よって、従来のマテリアルリサイクルにあるカスケード的リサイクルのように、リサイクル商品の価値が低下することはなく、リサイクル商品展開に限界はありません。

新原料リサイクル


「新原料リサイクル技術」による資源循環の輪

取組みの成果

この技術を活用して、2003年11月より当社徳山事業所にて、使用済みPETボトルを再びPETボトル用樹脂として再生する「ボトルtoボトル」リサイクル事業を、2004年4月より松山事業所にて、使用済みポリエステル繊維製品を再びポリエステル繊維として再生する「繊維to繊維」リサイクル事業を行っています。
 「ボトルtoボトル」リサイクル事業では、「新原料リサイクル技術」で石油より製造したバージン品と同等以上のDMTにまで戻し、PETボトルの原料である高純度テレフタル酸(以下、PTA)を経ることでボトル用樹脂への再生が可能となり、PETボトルの途切れのない完全循環型リサイクルの輪が構築されるのです。この技術により再生されるボトル用樹脂は、既にFDAなど複数の機関により、安全性が確認されておりましたが、更に2004年3月には内閣府食品安全委員会の食品健康影響評価で、
「現在のPETと同じ用途において、食品に直接接触する容器包装として使用することは可能である」との判断が出されました。

徳山事業所
帝人ファイバー株式会社徳山事業所


「ボトルtoボトル」のリサイクルフロー


「繊維to繊維」リサイクル事業では、使用済みポリエステル繊維製品の回収を「エコサークル」という当社独自の回収システムで積極的に行っております。本システムでは、賛同する関係企業をメンバーとして登録し、商品の開発、商品化およびその回収・再利用までを共同で進めており、「新原料リサイクル技術」を活用することで、ポリエステル繊維製品の途切れのないリサイクルの輪を構築しております。


「繊維to繊維」のリサイクルフロー


独自のポリエステル製品回収システム
「エコサークル」

環境保全効果

昨今、ますます地球温暖化問題に向け、二酸化炭素などの温室効果ガス削減への取組みが急務となっております。
 その点、当社の「新原料リサイクル技術」は、使用済みポリエステル製品からDMTを回収するリサイクル技術であるため、従来の石油からのDMT生産に比べて省エネルギーおよび二酸化炭素排出量削減の効果が大きいことが挙げられます。こうした地球環境負荷の低減について、経済産業省の「繊維製品3R推進会議」(2003年10月9日)で報告された「繊維製品のLCA(*1)調査報告書」において、石油からDMTを生産するのに対し、消費エネルギーを84%削減(*2)、二酸化炭素排出量を77%削減(*3)できることが示されました。

*1: 製品の材料段階から廃棄に至るまでの各段階におけるエネルギーおよび資源の投入と排出物量を数値で把握することにより、その製品の環境への負荷を分析し、環境影響を評価する手法。
*2: 化石資源の消費が削減される分を正当に評価するため、化石資源の燃焼エネルギー換算値であるフィードストックエネルギーを加算している。
*3: 「繊維製品3R推進会議」のLCAデータにリサイクルせず、焼却した場合の二酸化炭素排出量を加えた値。

受賞を契機として

今後の取組み

「ボトルtoボトル」リサイクル事業、「繊維to繊維」リサイクル事業に続き、今後は使用済みポリエステルフィルム製品を再びポリエステルフィルムとして再生する「フィルムtoフィルム」リサイクル事業も展開し、使用済みポリエステル製品全般を対象とした完全循環型リサイクルを実現することで、地球環境保全・温暖化防止に貢献していきたいと考えております。
 また、PETボトル用の触媒では現状、重金属であるゲルマニウム系触媒が使用されているが、当社は重金属フリーの新しい触媒の導入に向けた開発を続け、安定供給できるチタン系触媒への転換が既に実用化レベルにきている。この重金属フリー技術を「新原料リサイクル技術」と合わせることによって、更なる環境配慮型の完全循環型社会構築に貢献していきたいと考えております。