第6回 環境価値創造部門環境連携賞
滋賀県立大学グリーンコンシューマーサークル、大学生協京都事業連合(滋賀県)
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向井 千晶氏 |
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受賞者メッセージ
私たちグリーンコンシューマーサークルは、環境配慮製品普及のための活動を実践している滋賀県立大学の学生サークルです。
私たちは今年で設立11周年を迎えました。私たちが目指しているのはグリーンコンシューマー主導のグリーン市場の開拓です。グリーンコンシューマーというのは文字通り訳せば「緑の消費者」であり、「環境に配慮した製品を優先的に選ぶ消費者」のことです。消費者の選択が変われば世の中に出回る商品が変わります。もはや環境破壊は企業だけの問題でもなければ行政だけの問題でもないのです。誰しもに関係のある“買い物"から世界を変えよう!というのが私たちの理念です。
活動は大学生協のショップに環境配慮の文具(以下エコ文具)の導入から、滋賀GPN(会員約420団体、行政・企業・市民団体などがグリーン購入をすすめる団体)への参加、環境省委託による「小規模地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドライン」の作成に至るまで幅広くあります。
多数ある活動の中で今回の受賞理由として認めていただいたのは、大学生協・企業と共同で行った「エコ文具の開発」です。私たちは、環境配慮型で且つ学生にとって使いやすい文具開発をめざして企業に働きかけ、2005年からコクヨマーケティングと話し合いをしてきました。2007年10月に第一弾である「パンチつきWとじファイル」の開発・販売を実現。このファイルの特徴は、従来のフラットファイルに2つの綴じ具と穴あけパンチがついたことです。これによって学生はプリント類を配布されたその場ですぐ簡単にとじることができます。現在は大学生協京都事業連合管内(京都・滋賀・奈良)の19大学で販売しており、今後はそれ以外の大学生協へも販売を拡大していきたいと考えています。
私たちはこれからも、学生サークルという位置づけを存分に活かして、私たちだからこそできるグリーン市場の開拓を続けていきたいと思います。
環境経営の取り組み
滋賀県立大学内での活動
エコ文具導入
グリーンコンシューマーサークル(以下サークル)の活動基礎は、滋賀県立大学生協(以下県大生協)ショップへのエコ文具の導入です。この選定活動は1998年から継続して行われています。ちなみにエコ文具の判断基準はグリーン購入ネットワークのガイドラインとしています。
文具棚改変作業風景

文具を選定するときのポイントは、「デザイン・価格・機能・環境」の4つを満たすことです。このポイントを満たしつつ学生の視点から学生が必要としているものを、時節柄なども考慮し学生独自の視点を活かしながら選定を進めます。
店頭に陳列するときにはPOPを作り、文具棚のディスプレイを大きく改変するなど、販促活動も行っています。1年間に4回、仕入れている文具について全品目の見直しを行います。その際に半年間の供給データを元に売れ行きの悪い文具の仕入れ廃止決定も行います。サークルで推薦した商品だからという理由で残すことはせず、選定の誤りを冷静に分析し次に活かします。
作業が完了した文具棚

長年のこの取組により、2006年度まで文具供給高は増加し、エコ文具販売額比率も2001年度の31%から60%を超えるまでになりました。
他大学への普及活動
また、サークルの活動を他大学へ広めようと文具ウォーカーと文具キャラバンという取組を行っています。
文具ウォーカー
文具ウォーカーは2005年から約3ヵ月に一度、大学生協京都事業連合(以下連合)管内(京都・滋賀・奈良)の19大学生協にサークルが配信している情報紙です。内容は、「今月のエコ文具(商品のオススメポイント、価格etc)」2点と「エコ知識」の計3つです。また、サークルのwebサイトからも入手でき、必要に応じて各店舗で印刷することも出来ます。
また、県大生協で仕入れたエコ文具を、連合の商品リストに登録することで、他店舗からも容易に同じ商品を発注できる仕組みも確立しました。

文具キャラバン
2006年から始まった文具キャラバンは約30種類の商品とそれらの販促物、ディスプレイ什器を、連合管内の大学生協の参加店舗から参加店舗へと約1ヶ月で受け渡すキャラバン形式で文具販売を展開しています。
サークルにとってこの企画は期間限定ではありますが、情報提供だけでなく実際の商品を他大学へ広げることができます。
私たちは立命館大学の学生組織“Reco.lab"と共同で供給する文具の選定、ポスターやPOPの作成 (右図)、ディスプレイ什器の選定を行います。
この企画を行うことによる生協店舗側のメリットは、商品・POP・什器を持ち回りで販売していくため、手間のかかるPOP・什器の準備や在庫をかかえるリスクなく、取り扱っていない商品を試験販売できることです。2006年度供給高は全体で約20万円、2007年度は現在集計中ですが約30万円(見込み)です。
追求した結果、生まれた活動
文具開発
文具開発は、第一弾として「パンチつきWとじファイル」の開発・発売を実現しました。
この活動のきっかけは、文具選定を繰り返す中で、前述の選定基準(「デザイン・価格・機能・環境」の4つを満たすこと)をわずかに満たしていないなど、選定に至らない惜しい文具が数多く見つかったことです。
そこで私たちのその思いをメーカーに直接訴え、できれば共同で開発を!との意見を数社に出しました。そしてその呼びかけに答えてくださったコクヨ近畿販売<現コクヨマーケティング(株)>と連合とサークルの3者で、商品の開発・製造・販売展開について2006年から協議を重ねました。サークルは商品企画、モニターアンケート調査の実施と分析、販促企画(販促物作成、陳列支援、プレスリリース等)などを担当しました。
商品の特徴は「とじ具が2つ」、「穴あけパンチつき」であることの2点です。ルーズリーフとプリントなどの同時ファイリングで閲覧性を高めます。またパンチがファイルに搭載されているため講義で配布されたプリントをすぐにファイリングでき、大学生の抱える課題である講義プリントの整理に適した機能であると言えます。当然ながら、環境の視点では古紙配合率100%で価格も280円と安価に抑え、デザイン性では3色のカラー展開を実現しました。
パンチつきWとじファイル

2007年10月より連合管内の全大学生協において、初回2,000冊で販売開始、2008年5月現在までに在庫はほぼなくなり、増産準備を進めています。今後は他地域大学生協での販売も検討していく予定です。
県大生協陳列風景
これら活動が実施できる前提は、メンバーが大学生協の「組合員」であることです。組合員は単なる「利用者」であるだけでなく、「出資」と「運営」にかかわることが前提となります。組合員としての立場で「運営」にかかわるからこそ、ここまで大学生協での活動が可能になります。これからも大学生の視点で、組合員として、大学生協を基盤にグリーンな社会づくりをめざしていきます。
